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『銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者(旧版)』への感想

投稿者:[非会員]の感想
[2014年 05月 09日 02時 06分]

▼良い点
合理性のカケラもなかった侵攻計画に、一応の見通しある原案があったという描写。
発動したのちに前提条件が崩れて「臨機応変」で強弁するしか後が無くなったと見る方が
まだなんとかあり得る範疇ですよね。

▼悪い点
それでも内応と反乱を前提に試案を作って、それにエリヤ君が引き込まれてしまっている点。
ウクライナ情勢で現代で寝返りとかあるんだねと驚きましたが
だとしてもそれを前提に本丸まで進もうというのは流石に…
情報部に命運を委ねる作戦にすがらざるを得ないロボス派の苦境を表しているのでしょうが
この案が正規の手順でも通り得るかというと…常識人エリヤ君としてはらしからぬ判断なような。
友情と、前世の作戦に比べればマシに見えるが故か。

▼一言
フォークどうしてああなった…を見事に着地させてきたのも、エリヤとフォークの葛藤と納得も素晴らしいだけに
原作より遥かにマシとはいえ依然トンデモの範疇な試案が惜しい。
偽装内応による誘引だけであっさり瓦解する作戦案に兵の命を預けるわけには。


▼返信
投稿者: 甘蜜柑
[2014年 05月 09日 (日) 02時 27分 52秒]

諜報工作で反乱を扇動してから攻め込むというのは、私から見れば極めて戦略の常道に近い作戦なのですが、読者の皆さんの反応を見ると、どうもそうでは無かったようです。

内応と反乱を前提にせずに他国領に攻め込む案の方がトンデモです。内乱がなかったら、どんな小さな国でも簡単には攻略できません。内乱が起きていない国に攻め込んだら、途方も無い損害が出ます。

偽装内応による誘引を防ぐのも情報屋の腕の見せどころでしょう。情報戦というのは、一般に考えられているより遥かに高度な駆け引きが展開されています。

納得いただけるような加筆をいたしました。それほど特別な工作ではなく、過去に少なくない先例がある工作であることを示す加筆です。

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