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『銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者(旧版)』への感想

投稿者:[非会員]の感想
[2014年 05月 05日 19時 44分]

▼一言
「ヤン提督は部隊指揮の経験をほとんど持っていない。だから、作戦指導に専念して、運用はベテランのフィッシャー准将とそのスタッフに任せているんだろうね。見方によっては、フィッシャー准将が事実上の指揮官といえるかもしれない」って……。

 第一に、第六十五話でのビューフォート大佐の台詞が、ちょっと引っかかるのですが。
「ヤン准将は、千隻の大船団を一人で指揮していた」、「一人でスタッフ十数人分の仕事をやってのけた」って……。
 つまり、ヤンはその気になれば実務も、部隊運用も出来たと考えざるを得ません。

 第二に、原作のヴァーミリオン会戦の描写から判断する限り、ヤン艦隊において、艦隊をどのように動かすかを判断し、決定しているのは、明らかにヤンでした。
 つまり、指揮官は明らかにヤンで、フィッシャーとその部下たちは、ヤンの命令に従って艦隊に具体的な指示を出すのが仕事だったと、考えざるを得ないのですが。


▼返信
投稿者: 甘蜜柑
[2014年 05月 07日 (日) 01時 08分 14秒]

>第一に、第六十五話でのビューフォート大佐の台詞が、ちょっと引っかかるのですが。 「ヤン准将は、千隻の大船団を一人で指揮していた」、「一人でスタッフ十数人分の仕事をやってのけた」って……。  つまり、ヤンはその気になれば実務も、部隊運用も出来たと考えざるを得ません。

やろうと思えばできるというのと、実際にやるのは違いますね。原作のヤンはどう行動しましたか?やろうと思えばできることもプロに任せて、自らは全体の監督・指導に専念していたはずです。

指揮官というのは、やろうと思えば何でもできるけど、自分では手を出さずに人にやらせる。そういう人物こそ適任です。自分ができないことを監督・指導するって難しいですから。

>第二に、原作のヴァーミリオン会戦の描写から判断する限り、ヤン艦隊において、艦隊をどのように動かすかを判断し、決定しているのは、明らかにヤンでした。  つまり、指揮官は明らかにヤンで、フィッシャーとその部下たちは、ヤンの命令に従って艦隊に具体的な指示を出すのが仕事だったと、考えざるを得ないのですが。

ヤンが指揮官でフィッシャーが作戦参謀なら、あなたのおっしゃるとおりでしょう。しかし、フィッシャーは自らの参謀チームを抱える指揮官です。上級指揮官が下級指揮官にそのようなことをさせるというのは、聞いたことがありません。

正直言って、作戦参謀がすべきオペレーションを副司令官がしているような原作中の描写は、現実の軍隊のシステムとは反しているのですが、原作尊重の立場から、全体指導のヤンと運用上の指揮官フィッシャーという関係を想像しました。ヤンが艦隊の動きに直接指示を出す時は、フィッシャーの頭越しに動かなければならないような勝負どころだけではないでしょうか。こういう関係であれば、実際に存在しないということもありません。現実と原作の狭間での苦肉の結果と考えていただけたら幸いです。

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