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『銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者(旧版)』への感想

投稿者:[非会員]の感想
[2014年 04月 29日 23時 02分]

▼一言
「有能な人物は能力に比例してプライドも高くて、とかく周囲と摩擦を起こしがち」
 ラインハルトなどこの典型ですね。彼の場合、誰も文句の付けようが無い程の実力が有ったから、生き残れたようなもの。

 ヤン・ウェンリーが、プライドが高くないにもかかわらず、周囲と摩擦を起こしがちだったのは、彼が周囲に、『不愉快な現実を直視すること』を求めるから、彼と接すると、否応無しに、不愉快な現実を直視させられてしまうからでしょう。
 彼が正しいことは解っていても、不愉快なのはどうしようもない。
 だから、不愉快な現実を直視できる人物、ある程度以上、度量の広い人物でなければ、ヤンとは付き合えなかった。

「ルグランジュ少将は誰とでもうまく付き合える協調性を持っていた」
 エリヤ君自身もこのタイプですね。周囲と摩擦を起こすことなく、なおかつ正しいことを言える人物は貴重です。

 そういう人物がなぜクーデターなどに荷担したのか不思議になりますが、おそらく「軍人の視点でしかものを見られない」欠点が、原因だったのでしょう。
 そのことに加え、無欲で真面目な性格だったとすれば、政治や政治家に対し、表に出さないだけで負の感情が強かった可能性は、高いですから。


▼返信
投稿者: 甘蜜柑
[2014年 04月 30日 (日) 00時 17分 39秒]

高い能力を使いこなすには、大きな自信が必要なんです。しかし、自信家は摩擦を起こしがちです。ラインハルトぐらい能力が高かったら、自信もそれに見合ったものになります。

ヤンは能力は高いのに自信家ではないですよね。だから、自分の能力を十分に使い切れなかったのかもしれません。ヤンは不愉快な現実を直視するように求めるというより、単に反骨精神が強いだけではないでしょうか。みんなが右を向いてる時に左を向きたがる人は周囲と摩擦が多いですよ。

協調性があるからクーデターに参加しない、視野が広いから参加しないというわけでもないと思います。たとえば、2.26事件の青年将校には人望のある人、視野の広さを評価された人もいました。

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