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『銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者(旧版)』への感想

投稿者:[非会員]の感想
[2014年 03月 27日 20時 33分]

▼良い点
エリヤ君の立ち位置が、
アムリッツァのフォーク、クーデターのクリスチアン、ドーソンと絡んで来そうなのが楽しそうですね。

▼悪い点
悪く思われているキャラのいい点を出すというコンセプトは好きなのですが、一方で未来のハイネセンだけを暗く描くと、その部分だけディスっているように見えちゃうんですけど。

まあ、印象として未来のハイネセンは大変だけど、暗くはなく、何とか守った民主主義の良きサンプルと思っていたもので。

▼一言
あ、帝国側のリークで脱出したんですか。
私は、サイオキシン麻薬を扱う地球教と結びついているトリューニヒトから情報が流れたと思っていました。

で、その事実に段々エリヤが気がついていく流れかと。


▼返信
投稿者: 甘蜜柑
[2014年 03月 29日 (日) 13時 22分 28秒]

これだけ関係者が多かったら、絡まずにはいられないでしょうね。

原作七巻以降のハイネセンはロイエンタールの反乱や数々のテロでかなり酷い状態になっていると思われます。

原作十巻の後半に、

『ハイネセンも変わった、と、ユリアンが思ったのは、感傷のサングラスをとおして見た風景であったからだろうか。すくなくとも二年前まで、この惑星は、宇宙の半分を支配統治する国家機構の中枢であり、人的な、また物的な資源が集中する、人類社会の要地であった。それがいま、単なる辺境の一惑星に堕しつつある。何よりも、居住し往来する人々の表情に、活気も誇りもない。現状を無批判に受容する退廃の斜面に腰をおろしたまま、大帝国の辺境としての地位に甘んじて、歴史の深淵へすべり落ちて行こうとしているように見えた』
『ハイネセンはまず「ルビンスキーの火祭り」で受けた被害から再建を果たさねばならない。地理的な要件も、イゼルローン要塞と比較すれば、はるかに攻めやすく守りにくい。もともと消費社会としての性格が強い星系であったから、食糧なども他星系から輸入せねばならず、他星系は帝国の完全な支配下にある。軍事面から考えれば、むしろ条件は悪化するだろう』

というバーラト自治区成立後のハイネセンの険しい道程を暗示する記述もあります。

ユリアン達は戦乱とテロでボロボロになって、本作一話で描いたような経済的にも不利な立地にあるハイネセンを立て直していかなければなりません。ハイネセンが抱える十億の人口は自由惑星同盟の首都として全国から物資が流れこんできたおかげで維持できていたものです。バーラト星系一つしか持たず、帝国の公共サービスの対象外となる自治区にとっては、この大人口は重荷になるでしょうね。

民主主義の精神が守られているかどうかと経済的な状況はあんまり関係ないと思いますよ。ユリアンやフレデリカがいかに清廉で高潔であっても、お金や物資を無から生み出すわけにはいきませんからね。マネジメントのプロであるキャゼルヌだって、動かせるお金や物資が最初からなければどうしようもありません。

展開を予想するのは読者の楽しみの一つです。地球教やトリューニヒトが絶対悪ではない本作では予想が難しいでしょうが、どのような展開になっても楽しんでいただけたら幸いです。

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