『銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者(旧版)』への感想
投稿者:tukiyomi
[2014年 03月 25日 00時 57分]
▼一言
更新お疲れ様です。
この作品のドーソンは、色々と欠点も多い人ではありますが、民主主義下の軍人としては極めてまっとうな価値基準を持っていますね。
一歩間違えれば政治家との癒着にしか見えない行動も、民主主義体制下での軍人は、政治家との信頼関係構築がなければ、助言することすらできないというのは事実でもありますし。
この点、原作のヤンは「理念としての民主主義」を神聖視していますが、実際の運用については、批評家としての立場からしか発言していませんでしたし、彼の行動原理を見ると、民主主義を恣意的に解釈している面も多いものでした。
ヤンが賞賛される「軍人は政治に関与すべからず」という理念も、彼の言動を見てみると「政治家は軍事戦略に口出しをするな」という本音が漂っており、本当の意味で民主主義を理解していたかどうかは疑問符が付けられます。
故に作者様が「ヤンとラインハルトは本質的に同じ価値観を共有している」という指摘は、あの作品の本質を突いたものではないかと思います。
それにしても、エリヤが直々にご指名を受けた訳ですが、一体どんな思惑があるのやら。少なくとも、ルートを潰されたラッカム元少将とかは、報復狙っているでしょうしねえ。
投稿者:
甘蜜柑
[2014年 03月 25日 (日) 22時 57分 43秒]
原作でヤン達に嫌われていた政治軍人達にも彼らなりの言い分はあるのではないかと私が考えます。政治の泥沼に浸かってでも成し遂げたい何かがあったのではないでしょうか。
ヤンは原作の登場人物の中では良い意味でも悪い意味でも、最も軍人らしい人物ではないでしょうか。軍人のある一つの典型を示しているように見えます。
ヤンとラインハルトは同一の価値観を共有していると言ってよいですが、それは軍人というよりは人間としてのあり方だと思います。
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