「銀河英雄伝説 エル・ファシルの逃亡者(旧版)」の感想


 
コメント
作者様のつぶやきを拝見して誤解があるようなのでお伝えします。

おそらくですが、私も含めて今の状況に疑問を持っている人間は、
自分の思い通りの展開にならないから不満なのではないです。

エリヤの心理描写が薄すぎて、彼が何故、こんな行動をしているのか理解できないので、何故〇〇しないんだろうと不満を感じるのです。

例えば、原作においてヤンはバーミリオンで停戦命令を受けて攻撃を止めました。
これをラインハルトを勝たせる為のご都合主義という批判も、
ヤンが攻撃を止めるなんて不自然などという批判はなかったと思います。

何故なら、ちゃんとヤンの心情は同意できなくても理解出来るようにはされていたから。

これに対して、今回のエリヤの心情なのですが、
説明が少なくとも私には不十分で何故、こんな行動を取るのか
本当にわからず、作者様が決めたから行動しているように見えてしまうのですよ。

コメント返しではなく、作品中でエリヤの気持ちをもっとわかりやすく描写して頂けませんか?

例えば、我々読者は原作知識もあり、
作品中では一番エリヤに近い位置にいると思うのですが、
フォークの作戦が緻密だったのを見た時、
ああ、こういう裏話があったのか、でも失敗するんだよなと考えた人が多いと思います。

これに対して、歴史が変わったはずなのに、アスターテが起きたのも知っていて、
歴史は変わったんだから、この作戦は成功するよね、さすがアンドリュー、
と思っているんだとすると、彼の性格が破綻しているように見えるんですよ。

もともと、エリヤが飛び抜けて楽天的な性格であるなら、
フォークは成功すると信じられるんでしょうが、
そうでないなら、どうやって大丈夫と思えるようになるのか、
そういう描写が作品中で、私の感覚的には薄くてわかりにくいと感じてしまっています。